<大相撲初場所>◇4日目◇15日◇東京・両国国技館

 幕内の取組で、まわしを締め直すために2度取組を中断するハプニングがあった。

 西前頭13枚目の時天空(34=時津風)と東前頭10枚目の佐田の富士(29=境川)の一番で、もろ差しを許した佐田の富士のまわしが緩み、行司の木村晃之助(48)が両者を止めて締め直した。しかし、勝負再開直後に再び外れて2度目の中断。佐田の富士のまわしが短いために苦戦し、朝日山審判長が控えにいた嘉風(31=尾車)にも締めるよう促した。

 しかし「自分が進行係ですから」と、土俵に上がった嘉風を制した晃之助の手によって再び締められ、2度目の再開。立ち合いから3分以上、取組時間だけでも1分41秒かかった一番は結局、そのまま時天空が寄り切った。

 敗れた佐田の富士は「いつもと同じ長さ。そんなに短いはずはないんですけど…。両方(下手を)取られていたので緩んだのかなぁ」と首をかしげた。勝った時天空も「(待ったの際)行司さんは『手を離すな』と言っていたけど、離さないと(まわしを)引っ張れなかったよね」と苦笑いだった。

 ただ、その2人をさしおいて一番の“被害者”は嘉風。「審判に、行けと言われて行ったんだけど、土俵に上がったら、行司さんに『いいよ』と言われて…。めっちゃ格好悪かった」と、すごすごと土俵を下りざるを得なかったことに恥ずかしがっていた。