大相撲の横綱白鵬(29=宮城野)が「疑惑の相撲」と疑問を呈した、初場所13日目の白鵬-稀勢の里戦でビデオ担当を務めた日本相撲協会の錣山審判委員(51=元関脇寺尾)が28日、あらためて取り直しの妥当性を示した。

 この日は両国国技館で、審判部員として春場所取組編成会議と、弟子の堀切改め阿炎(あび)の新十両昇進会見に出席。その後、取材に応じた。

 あくまでも「審判部に報告したビデオ担当者として」の立場で応じたもので、白鵬の発言については「それは審判部長から報告があったので私が話すべきことでない」と前置き。その上で「最初にビデオを見て、白鵬の(右)足の甲が返った(土俵に着いた)のが早かった」と、勝負規定第6条(足の裏以外の体の一部が、早く砂についた者を負けとする)に着目。その後、4~5台のビデオをさまざまな角度から分析し「よく見ると、攻められた稀勢の里の両足が浮いて飛んでいる。これは死に体では」となり「これはもう一丁(取り直し)にしよう、となり報告した」と同体の結論に至った。

 相撲の流れとルールを総合的に勘案した末の結論。「ビデオ判定は何をした」と批判した白鵬に対し、26日に話した「取り直しが極めて妥当」の見解を、あらためて強調するものだった。