日本相撲協会が、国内のスポーツ団体では初めてとなる「薬物使用禁止規定」を「角界の憲法」である寄付行為に制定した。27日に東京・両国国技館で開いた理事会で(1)麻薬及び向精神薬(2)覚せい剤(3)大麻(4)上記以外の薬物で理事会が指定した薬物の使用を禁止し、違反者は原則として解雇することを決めた。

 筋肉増強剤などのドーピングを規制するものとは違い、法律で規制された薬物の使用禁止をあえて明記。逮捕、使用で計4人が解雇された大麻問題が理由。その上で薬物検査を実施し、1週間以内に全協会員から同意書を取ると発表した。新検査は、昨年9月に実施されたような簡易検査ではなく、検体を専門機関に持ち込む精密検査になる可能性もあるという。

 正当な理由(病気など)のない不受検者も処分対象となるが、検査ごとに生活指導部長、医師、法曹関係者、親方2人の5人による「判定委員会」を構成し、処分が必要かを判断し、理事会にかけるという。また、協会は退職金にあたる養老金を解雇された協会員に支払わないか、減額にする規定を新設した。これまでの規定では養老金の支払いを拒否できるのは除名だけで、解雇では拒否できなかった。