日本相撲協会の役員選挙(2月1日)に向け、混乱の続く二所ノ関一門の間垣親方(56=元横綱2代目若乃花)が11日、一門を離脱して理事に立候補する貴乃花親方(元横綱)を援護した。「貴乃花は協会の宝。長い目で見ず『破門』はどうか。『破門』という発想自体がおかしい」。貴乃花親方に対する「破門」などの処分は保留されているが、一部の「処分すべき」の声に首をかしげた。

 同一門は従来の理事枠「3」に対し、現職の放駒親方(元大関魁傑)二所ノ関親方(元関脇金剛)と、新顔の鳴戸親方(元横綱隆の里)貴乃花親方が出馬の意思を表明。調整に失敗し、8日には貴乃花親方が一門離脱を表明した。貴乃花親方の支持者は、間垣親方を含めて「7票」と言われる。10日には鳴戸親方が「貴乃花支持なら一門から出ていくべき」と、19日の緊急一門会では「貴乃花派」の処分を求める考えを明かした。

 間垣親方は、入門時に同じ夜行列車で上京した鳴戸親方と長年、懇意にしてきた。「40年の付き合いだけど、理解できない。(処分が)おかしいと思う親方は、いっぱいいると思う。一門が割れても、(おかしいと言う)働き掛けていく」。間垣親方も98年、各一門「2」だった理事枠に異議を唱え強行出馬。初の理事選挙を実施させた。「おれの時も『破門』という言葉は出なかった。4人出ればいいじゃないか、選挙なんだから」。伝え聞いた鳴戸親方は「それぞれの考え方。いろいろ意見がある。1人で決めることではないから」と受け流した。