日本相撲協会は15日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き「故意による無気力相撲懲罰規定」を改定した。同日に行われた新生委員会から8項目を提言された理事会は、懲罰規定の改定案を即日施行。八百長問題の再発防止に向けて、より厳しい内容になった。

 大幅に変更されたのは同規定の第6条。これまでの「けん責」「給与減額」という軽い懲罰を削除し「出場停止」「引退勧告」「除名」に「解雇」を加えた。当人だけだった対象を、申し込みや要求、約束をした力士まで拡大。また、第4条では敢闘精神に著しく欠ける相撲に厳重注意を与え、同一場所2回の注意で休場勧告できる新たな規定も盛り込んだ。

 携帯電話の持ち込み禁止など支度部屋の規律強化、監察体制の強化など懲罰規定以外の7項目について、放駒理事長は「理事会でもんで、4月30日までに対策案をまとめる」と話した。すでに監察委員増員など動きだしたものもあるが、過去に廃止された公傷制度の復活など難航が予想されるものがあるのも事実。その中で、懲罰規定を前倒しで改定したのは、八百長問題に対する相撲界の危機意識の表れでもある。

 八百長が発覚して以来、放駒理事長が繰り返してきた「調査、処分、再発防止」も大詰め。同理事長は「2度とこの規定が使われることがないよう、自覚して素晴らしい相撲を見せてほしい」と、苦しい2カ月半を振り返って話した。【荻島弘一】