大相撲の人気力士・十両高見盛(36=東関)と永谷園のCM契約が9月いっぱいで終了することが30日、分かった。既に永谷園の関係者が都内の東関部屋を訪れ契約を更新しないことを伝えている。東関親方(元前頭潮丸)は「いい時も悪い時も応援してもらった。さみしいが、本人も納得している」と感謝した。

 永谷園は03年10月から高見盛と契約を結び、広告に起用し人気を博した。愛されるキャラクターが、お茶漬けなどの商品のイメージアップに大きく貢献した。最近はテレビCMはなかったが、国技館内には高見盛を用いた広告が展開されている。それらの広告も10月からは見られなくなる見込みだ。

 永谷園広報部では「新しくCMなどを作成する上で判断いたしました。高見盛関が大きな声援を受けていらっしゃるのは知っています。引退するわけではありませんし、これからも頑張っていただきたい」と話した。03年10月から今年9月まで丸9年にわたった関係は、次のステップへ向けて解消。違った力士を起用することは、現時点ではないという。

 秋場所(9月9日初日、両国国技館)は東十両8枚目で臨む。幕下に陥落すれば引退が濃厚。振分親方(元横綱武蔵丸)が30日付で年寄名跡「大島」を取得し、高見盛が所有する振分の名跡があいた。引退後も協会や相撲界を盛り上げることを誓っており、名跡があいたことで協会に残るための道はできた。全力投球できる安心材料が増えた。十両の地位に踏みとどまるためには、最低でも5勝が必要。永谷園からも愛され、ファンからも愛されるベテランが秋場所へ挑む。