大相撲の幕内安美錦(35=伊勢ケ浜)が、父になった。絵莉夫人(30)が23日午後8時半ごろ、第1子となる3310グラムの女児を出産し「無事に生まれて良かった。元気に明るく育ってくれたら、それでいい」と喜びを口にした。

 9月の秋場所14日目に左膝を負傷し、千秋楽を休場。当初は内側半月板損傷で全治1カ月の診断だった。だが、再検査の結果、前十字靱帯(じんたい)も損傷し、全治3カ月とされた。現在は連日のジム通いでリハビリを続け、軽い四股を踏めるまでに回復した。

 「気がめいったところで、(自分を)励ます形で生まれてくれた」と安美錦。23日夜には、巡業に出ている横綱日馬富士ら部屋の関取衆から電話があり「おめでとう!」と祝福され、感極まった。現在、日馬富士の土俵入りは安美錦不在で行われているため「早くその中に戻っていきたい気持ちになった」と話した。

 九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)は完治した状態で臨めないが、休場はしない。「(回復は)6割くらいの状態で、どう相撲を取るか、試しながらやっていく」。父として、身を削りながら土俵に立つ。【佐々木一郎】