大相撲初場所で史上最多33度目優勝を全勝で飾った横綱白鵬(29=宮城野)が26日、審判部を痛烈批判した。東京都墨田区の宮城野部屋で行われた一夜明け会見で、取り直しになった13日目の稀勢の里戦について言及。納得いかない様子で「子供が見ても分かる。なぜ取り直しになったのか。2度とないようにやってもらいたい」などと、異例の注文を付けた。

 ◆初場所13日目の白鵬-稀勢の里

 目前で日馬富士が敗れたため、結びの一番で白鵬が勝てば史上最多33度目の優勝が決まることに。立ち合いで左を差し、一気の出足で前に出た。だが、土俵際で稀勢の里の右小手投げを食らい、ほぼ同時に倒れた。軍配は白鵬に上がったが、朝日山審判長(元大関大受)と粂川親方(元小結琴稲妻)がともに物言い。稀勢の里の左腕が落ちるのも際どかったが、体が土俵外に飛んで死に体になるのと、白鵬の右足が返るのは微妙な差だった。協議の末「両者落ちるのが同時とみて取り直し」。取り直しの一番は立ち遅れ、途中で体勢を崩しながらも、もろはずで一気に押し倒した。