初場所で史上最多33度目の優勝を果たした横綱白鵬(29=宮城野)が17日、ウランバートルの大統領府(国会議事堂)で、日本の国民栄誉賞に相当する「労働英雄賞」を授与された。大相撲では元横綱朝青龍のドルゴルスレンダグワドルジ氏に続き2人目の栄誉となった。

 授与式にはモンゴル相撲の大横綱で、68年メキシコ五輪レスリングで銀メダルを獲得して同国初の五輪メダリストとなった白鵬の父ムンフバトさん(73)ら親族も出席。エルベグドルジ大統領から英雄賞のバッジを直接、胸につけてもらい「大相撲で歴史的な記録を作り、モンゴルの名誉を高めた」とたたえられた。

 同賞は過去にムンフバトさんも受賞しており、史上初の親子受賞となった白鵬は「父はいつも『私は20世紀にモンゴル相撲の横綱になり、息子は21世紀に大相撲の横綱になった』と言っていた。33回の優勝を果たし、記録に残る成功を見せられた。国民の皆さんやお父さん、お母さんを喜ばせることができて、労働英雄賞をいただけることは本当にうれしい」と喜んだ。

 現地で会見はなく、地元メディアにも多くを語らなかった白鵬。受賞後はチンギスハーン広場で、スポーツ功労賞を受賞した横綱鶴竜(29)十両朝赤龍(33)や駆け付けた元横綱朝青龍、元小結旭鷲山らと記念撮影を行った。「今後もこの成功を守り続けます。皆さんの期待を壊さないように頑張ります」と誓うと、親族らで民間バスに乗り込んでパーティーに向かった。珍しい光景に、広場に残ったファンの間では「白鵬の車もナンバー制限を受けたのでは?」と騒ぎになっていた。