<東都大学野球:国士舘大3-2中大>◇第4週2日目◇26日◇神宮

 巨人が1位指名を公言する中大・沢村拓一投手(4年=佐野日大)が、ドラフト前日となる27日に先発マウンドに上がる。東都大学野球連盟からドラフトに関する質問は一切NGとする異例の通達が出る中、この日は登板せず、国士舘大に敗れた。

 ドラフトに関する質問が遮断されるピリピリムードの中、中大・沢村拓一(4年=佐野日大)が大学最後の可能性があるマウンドに向かう。「目の前の試合に勝つだけ。これといった感情はないです」。1勝1敗で迎える27日の国士舘大戦。ドラフト前日に、優勝の可能性を信じて先発マウンドに立つ。

 沢村に関してはすでに巨人が1位指名を公言する。清武球団代表が相思相愛を指名理由の1つに挙げるなど、沢村側に意中の球団があるとされてきた。誤解や、過剰報道にストップをかけるため、東都大学連盟・白鳥正志事務局長は「ドラフトに関する質問は控えてほしい。リーグ戦に集中させてほしい」と各報道機関に異例の要請を行った。就任18年目の同事務局長にとって、初の申し出だった。

 この日は、巨人、中日、楽天などのスカウトが集まった。高橋善正監督(68)は「春は無理をさせて、ヒジを壊した。ここまできてぶっ壊すつもりはない。先があるんだから」と温存。中4日で迎える27日の3回戦先発を明言した。

 沢村は、6回に四球から2失点降板した入江慶亮投手(3年=浜田)に対して「毎回同じ。危機感がない」と厳しい言葉で叱咤(しった)した。巨人以外にも各球団が直前まで、指名を検討するとみられる。「監督に従うだけ。ただ3連投で壊れる体の作り方はしてきていない」と、心配ご無用とばかりだった。【前田祐輔】