先制3ランを含む6打点のソフトバンク上林だが、守備での好プレーで勝利を呼び込んだと言っていい。3回裏2死一、二塁で源田の右前打を矢のような送球で本塁で刺した。捕球してから送球までが速かったし、送球も正確だった。すべてのプレーがほんの少しでも狂えばアウトにできない。西武に1点が入っていれば、前日までの流れでいくと逆転される可能性は十分ある。結果的に大勝したが、このプレーで流れは決まった。

上林は打撃の調子自体、悪くなかった。ファーストステージでは1番で結果がでなかったが、2番となったファイナルステージで目先が変わって良かったかもしれない。西武先発榎田のスライダーの曲がりが独特で、序盤ひと回りまでは各打者苦労していたが、上林が2打席目でしっかりそのスライダーをたたいて本塁打にしたことで、打線にも勇気を与えた。

前日(18日)第2戦の初回の守備。先頭打者の秋山の右中間への当たりをダイビングキャッチした。結果は大敗したが、いまだ結果が出ない秋山を乗らせていない点でも、上林の守備の貢献度は大きい。大味な試合が続いているが、堅い守りで相手に隙を与えないことが勝敗を分ける。(日刊スポーツ評論家)