阪神が最後の追い込みというべきか、ここにきてのチーム6連勝で、逆転でのCS進出に成功した。天敵の中日大野は、最優秀防御率のタイトルを確定させた4回途中で降板していた。
山田 阪神にとっては相手のチーム状況がどうであれ、ここまで追い上げ、追い越し、3位に滑り込むのはなかなかできないことだ。中日は5位が確定し、もはや目標を失ったチームで、大野のタイトルを確実にするためのゲームだったから、こういった展開になるのは仕方がなかった。
阪神は8月上旬に、3位広島から最大6・5ゲーム差をつけられていたのをひっくり返した。
山田 セ・リーグの終盤は、特に巨人が優勝を決めた後、DeNA、広島の戦いぶりにあきらめが見受けられたところ、明確な目標ができたチームが阪神だった。相手がコケたのもあったが、勝負には“運”も味方することがある。チャンスがあるうちは、あきらめてはいけないということだ。
この6連勝の内容は、1試合平均4・7得点、6試合のうち4試合までが完封勝ちだった。
山田 今シーズンを踏ん張ってきたピッチャーが機能した。シーズンを通してみると、よくこのチーム力で戦ってきたといえるだろう。
CSファーストステージの相手は、対戦成績が16勝8敗1分けと大きく勝ち越したDeNAだ。
山田 阪神の戦い方ははっきりしている。投手力で勝負することになるが、ここが崩れるとまずい。ただCSに参戦できたのは御の字で、怖いものなしで戦える強みがある。【取材・構成=寺尾博和編集委員】