田嶋のシート打撃登板は調整がもう一段階上がったことを証明した。フリー打撃に投げてから中2日と間隔を詰めての実戦だが、球速148キロを計測したことも含めて、さらにボールの精度が良くなっていた。

この時期に投げる投球としては、これ以上は望めないといえるピッチングだった。ボールに角度がついてきているし、対戦した各打者が「打てる気がしなかった」と反応したのも無理はなかった。

どちらかというとプロ入りから勢いに任せて投げる感が強かった。左肘痛で不本意だった昨シーズンから、できるだけ負担のかからない投げ方を見つけた。今キャンプでも前向きに取り組む様子からは自信がうかがえる。

こちらとしてはアピールさせるつもりはない。自身のペースで少しずつ上げながら、うまく投げる力もつけさせたいもの。フリー打撃登板の際には完全復活と評したが、それに確信がもてる内容だった。(日刊スポーツ評論家)