日刊スポーツ評論家の和田一浩氏(47)が中日のドラフト1位石川昂弥内野手(18=東邦)をくまなくチェック。注目のスラッガーを非常に高く評価した。

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今キャンプで評判なのが中日ドラフト1位の石川。低迷が続くチームのOBとしても気になる存在で、練習試合に出場すると聞き、急きょ予定を変更して見に行くことにした。

試合前のフリー打撃やシートノックから見させてもらったが、評判通りの逸材だった。「6番三塁」で出場したDeNAとの練習試合は、4打席で3打数無安打1四球。結果は出なかったが、将来性を感じさせる内容だった。

第1打席の初球と第3打席の2ボールから、内角への厳しい直球を打って三ゴロと中飛。どちらもどん詰まりの当たりだったが、無理やりタイミングを合わせようとして、バットを小手先で扱うようなスイングではなかった。右手で押し込んでいくようなスイングができていて、このようなスイングができるのは、木製バットへの対応力があることを証明している。

どちらもファーストストライクで、コースは甘くなかった。まだプロのスピードに慣れていないだけで、経験を積んでしっかりと備えられるようになるだろう。体も大きく、タフそうな骨格をしていて走塁も積極的。守備は粗削りだが、スローイングの安定感はあった。今後、練習を続けていけば、どんどんうまくなるだろう。

少し気になったのは、フリー打撃でも守備練習でも、8割ぐらいでプレーしていた点。フリー打撃の最後の方は迫力あるスイングをしていたし、守備も少しジャッグルしたりしたときは、ビシッと投げていた。疲れがたまっている時期だけに、自ら抑え気味にしているのであれば問題はないが、体が元気なときでも全力でやらない癖があるのなら、直した方がいい。そうすれば、高い確率で球界を代表するような三塁手になれると思う。

本紙評論家の和田氏(後方左)が見つめる中、フリー打撃練習を行う中日石川昂(撮影・加藤哉)
本紙評論家の和田氏(後方左)が見つめる中、フリー打撃練習を行う中日石川昂(撮影・加藤哉)