ロッテのドラフト1位右腕・佐々木朗希投手(18=大船渡)が13日、プロ入り後初のブルペン投球を行った。捕手が中腰の状態で、約5分間で25球を投げた。日刊スポーツ評論家の西本聖氏(63)が、佐々木朗希の初ブルペンをチェック。理にかなった体の使い方と柔軟性を高く評価した。

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初めてのブルペン投球にしては、軸がしっかりしている。まだ立ち投げだが、右足に体重を乗せて、しっかり立てている。ステップした時に足が動くと、リリースがぶれるが、そういうことはなかった。

左足は高く上げていたが、ゆっくり下ろすことができている。私も左足を高く上げるフォームだったが、実はあぐらがかけないほど股関節が硬かった。佐々木朗が柔らかいのか分からないが、体重のバランスを取れる能力がある。

腕の振りもいい。ある程度力を入れていた。しっかり右足にためが作れるから、右肘をトップに持っていく時間が取れる。肩甲骨の使い方が柔らかくてうまいから、腕をムチのようにしならせることができる。テレビのマイクを通じてだが、捕手のミットもいい音を出していた。球が良い回転をしないと、芯で捕球しづらく、いい音は出ない。

一般的に投手は、立ち投げの段階ではよく見える。これから捕手を座らせ、低めへの投球になるが、下半身の使い方が鍵になる。上半身、腕と連動させ、構えたところにどういう回転でいくか。吉井コーチも、大きく育てるために調整で無理はさせないだろう。松坂、ダルビッシュ、大谷、私の時代なら江川さん以上の素質を感じる。焦らず、しっかり体をつくってほしい。(日刊スポーツ評論家)

プロ入り初のブルペン投球を行うロッテ佐々木朗(撮影・垰建太)
プロ入り初のブルペン投球を行うロッテ佐々木朗(撮影・垰建太)