ソフトバンク5年連続日本一達成のカギは、若手内野手の台頭だ!

日刊スポーツ評論家、浜名千広氏(51)が、今年のイチオシ選手に三森大貴内野手(21)と野村大樹内野手(20)を挙げた。投手と外野に比べると、内野の層がそこまで厚くないと分析。それに若手が成長すれば「鬼に金棒」になる。【取材・構成=浦田由紀夫】

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昨年圧倒的な強さを見せつけて、4年連続日本一を決めたソフトバンク。他球団が「打倒ホークス」に燃える中、戦力を上げていく必要がある。浜名氏はそのために必要なのは内野手の強化と説く。栗原、周東が本格的に三塁手に挑戦するなど、競争が激しくなる。

浜名氏 投手と外野手はかなりレベルが高く、選手層も厚いので、その競争を勝ち抜いた選手が試合に出る。現状のホークスで、強いて言うなら内野手の選手層がそこまで厚くない。そこに若手が台頭してほしい。その筆頭候補として三森に頑張ってほしい。

三森は19年から2年連続して1軍を経験。ともに24試合ずつの出場にとどまった。ただ昨年はウエスタン・リーグで打率3割2分3厘で首位打者、出塁率3割9分7厘で最高出塁率に輝いた。

浜名氏 クラウチングスタイルの構えで昨年は始めたが、ちょっと合わなかった。2軍落ちしてからは少し立ち気味にして、バットをかつぐような構えにして良くなった。本人も打撃について-悩んでいたようだが、これで結果も出た。2軍とはいえ、二塁手としてずっと試合に出たことで経験も積んだ。本人も「さあ今年勝負」と思っている。

さらに期待のかかる若手内野手として、野村を挙げた。昨年は1軍に上がることはなかったが、ウエスタン・リーグでリチャードの273打席に次いでチーム2番目に多い254打席を経験。打率2割6分3厘を残した。

浜名氏 昨年、2軍戦で広島の左腕K・ジョンソンの内角直球をうまく左翼席へ本塁打にしたことがあった。内角のさばきはセンスがいる。もともと外角を逆方向に打てる打者でもあるし、プロの内角速球に対応できるようになれば成長も期待できる。

野村は今年でプロ3年目で、他球団にも「3年目の野手」で今年1軍で活躍しそうな逸材は多い。広島小園と林、日本ハム野村、阪神小幡、オリックス太田らがおり、浜名氏はライバルの存在が野村を大きくするという。

浜名氏 野村の心も穏やかではない。昨年1年で下半身も大きくなって、太もも、お尻が特に鍛えられている。三森とともに、春のキャンプからしっかり目立ってもらいたい。

ソフトバンク野村大樹(2019年撮影)
ソフトバンク野村大樹(2019年撮影)