巨人戦を前に下位チームにとりこぼすわけにはいかなかった。7回2死から、一塁走者・熊谷がまんまと二盗に成功。3回は糸原、5回は梅野が同じく二盗を狙ってスタートを切ったが失敗していた。

桧山 チームにとって、熊谷のスチール成功は“3度目の正直”でした。近本が打席の場面でロドリゲスから2度のけん制を続けられましたが、熊谷としてはタイミングを計れた。それほどクイックは速くない。投球フォームと捕手木下拓の肩を考えたとき、熊谷は「勝てる」と踏んだと思います。

7回2死二塁。続く近本の中前タイムリーで追いつき、続く8回にサンズがこれも2死から勝ち越し本塁打を放って突き放した。

桧山 ロドリゲスに対した打線は的を絞りづらかった。球速150キロ超のストレートは動いて、右腕を上げ下げしながらスライダーを投げ込んでくるので打ちあぐんだ。よく追いついたし、秋山が調子が良くないなりに、打者の目先をかわしながら粘りました。

14日からは2位巨人との3連戦を迎える。今季の直接対決は3勝3敗。セ・パ交流戦前のGT決戦はこれが最後になる。

桧山 主力を欠く巨人ですが、こういうときこそ少ないチャンスをモノにしてくるチームです。敵地ですし、岡本も上がってきているからあなどれない。阪神としてはスキを見せず、粘り強く戦いたい。特にカードの“頭”をとって弾みをつけたい。戦力ダウンしているうちに勝てるだけ勝っておきたいですね。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神対中日 7回裏阪神2死二塁、近本は中前同点適時打を放つ。手前はロドリゲス(撮影・上山淳一)
阪神対中日 7回裏阪神2死二塁、近本は中前同点適時打を放つ。手前はロドリゲス(撮影・上山淳一)