阪神はロッテに負け越し、西武に勝ち越した。村上、及川の若手でつないだ一戦は、またも終盤にもつれたが、辛くも逃げ切った。

中西　及川の投球は速さは感じないが、角度のついたボールに素材の良さがうかがえた。3回1死二塁の場面でリリーフし、呉念庭に中二塁打を浴びた1点は仕方なかった。左の先発は伊藤将1人なので、先発のチャンスを与えても面白い。村上も球質には可能性が感じられた。ただ、西純に再び先発の機会を与えるものと踏んでいただけに、その思惑が分からなかった。

ここにきてリリーフ陣でスンナリ逃げ切れなくなってきた。4点リードの7回は岩貞が4長短打と犠飛で西武の集中攻撃に遭い、1点差まで追い上げられた。

中西　岩貞はストライク、ボールの区別がはっきりしてきた。1点を許し、なおも1死満塁から7番スパンジェンバーグに右前にはじき返されたのも、高めに浮いたスライダーだ。続く愛斗の左犠飛でこの回3点目を許したが、直後に二塁走者山川が帰塁できなかった走塁ミスに助けられた。岩崎もなんとか抑えたが、調子は下降気味で勝ちパターンには陰りがみえる。疲れもあるだろうし、うまく起用したい。

6月1日からはオリックス、ソフトバンクと甲子園での6連戦になる。

中西　ロッテ、西武と戦ってきたが、やはりパ・リーグは手ごわい。特に「DH」のあるビジターは、息つくところがない。次は甲子園でのゲームだから、先発ができるだけ長いイニングを投げて、今後の長丁場を考えると、岩貞、岩崎のどちらかを休ませることのできる展開に持ち込むのが理想的だ。【取材・構成＝寺尾博和編集委員】