阪神が1点差で敗れた後、ヤクルトがDeNAに2対1で競り勝った。巨人が大勝し、三つどもえの戦いは、虎の“1人負け”で、首位から陥落した。

桧山 ヤクルトはその気になってますね。それぞれが心の底から、「勝ってやるぞ」と叫びながらプレーしているのが伝わってきます。巨人もチーム状態は最悪でも、立ち直ってくると怖い。それに比べて、阪神の戦いはちょっと重苦しいですね。18日の中日戦は高橋遥人が快投して1-0の素晴らしい試合をしたかと思えば、19日の巨人戦は1対8の大敗…。どうも乗ってこない。この日の青柳も粘り強く2点で抑えていたので、やはり打線の奮起にかかってきます。

中日松葉に6回まで0封された。5回を除いて毎回走者を出したが攻め切れない。21日の同カードは、4番マルテ、5番ロハス、6番サンズと並べたが、この日はマルテ、大山、サンズと組み替えた。だが、8回にマルテが又吉から適時打で奪った1点に終わった。

桧山 ここまできたら、松葉が良かったからでは済まされない。1、2、3番は機能してるから、4、5、6番が打ってかえさないといけません。特にサンズのブレーキが痛い。いつもクロスに構えてはいますが、本人は打ちにいく際に左肩が開くことを分かっている。だから対左投手ということで、いつもよりクロスしているようでしたが、インコースにヘッドが出てこないのを気にすると、今度は外角への攻めにバットが止まらなくなっている。疲れなのか、体調が良くないのかは分かりませんが、好調時は対応できていたのに、今はそれができません。

9月のサンズは打率1割8分6厘、2打点にとどまり、ノーアーチ。特に直近6試合は21打数1安打で打率が4分8厘しかない。再び1軍昇格が決まった佐藤輝にかかる期待は膨らむ。

桧山 佐藤輝は好調だから、上に上げるというわけではないと思っています。でも相手投手にすればボール球も振るけど、間違うとホームランを打たれる怖さがあります。代打では意味がない。4打席で3三振でも、あとの1打席で1発が出ればそれでいい。チームのムードを変えたいですね。【取材・構成=寺尾博和編集委員】