ヤクルトを猛追する2位で長期ロードに突入した阪神は3位、4位…、ついに5位にまで順位を下げた。

山田 阪神は1年前も同じように夏場に失速したが、チームとしての課題が解消されなかったといえるだろう。一時の勢いをもってすれば、ヤクルトに4、5ゲーム差まで縮めるのではと読んだものだが、ここまでの急降下は思いがけないことだった。戦力層は厚くなったはずが、だれかが欠けると、そこに当てはめる選手との差が大きかったということだろう。

不振の4番佐藤輝明を6番に下げた。代わりに4番に起用されたロハスは無安打で迫力に欠け、5番ロドリゲスにいたっては2打席連続の空振り三振で、早々とベンチに下がった。

山田 主力の離脱によって今いるメンバーで苦しい戦いを強いられているのは承知してる。佐藤輝に代わるだけの4番がいるなら打順を下げるのも有りだろう。なにも代えるべきでないとは言わない。大山がいたなら、大山を4番に据えていい。しかし佐藤輝の代わりはロハスではないはずだ。相手投手からみて、佐藤輝とロハスを並べてどちらが怖いかといったら、だれが考えてもお分かりだ。

チームは2週連続で、6連戦の“頭”をとれなかった。頼みの青柳で勝てないのがつらい。

山田 青柳はヤクルトの揺さぶりにあって弱点を突かれた。バントの構えをし、実際に転がし、青柳を崩しにきたから、したたかさは感じられた。ただヤクルトはこれまでも見受けられたように、青柳に対して塩見、山田らを外して戦うのは優勝チームらしいとは思えない。これがCS(クライマックスシリーズ)だったら、こういう手を打てるだろうか。またそのヤクルトを独走させているセ・リーグの他球団に情けなさを感じてしまう。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

ヤクルト対阪神 7回表阪神無死、中前打を放つ佐藤輝。投手梅野(撮影・鈴木みどり)
ヤクルト対阪神 7回表阪神無死、中前打を放つ佐藤輝。投手梅野(撮影・鈴木みどり)