西武のドラフト1位蛭間拓哉外野手(22=早大)と、新外国人マーク・ペイトン外野手(31=ホワイトソックス)の室内でのバッティングを見てきた。

蛭間はよく振れていた。

ここまでしっかり準備してきたことが分かる。渡辺GМからも話を聞いたが、勝負強いということだった。やや引っ張る打球が多いという印象だが、キャンプ初日であることを踏まえれば、現状で技術的な修正点はそれほどない。

初見としては、スイングした後のフォローが全部同じだったことは気になった。どこのコースを打つにしても、振り切った後にグリップを高く振り上げていた。同じコースのボールを打つにしても、逆方向やセンター返しを意識していれば、フォローの形も変わる。

左バッターの蛭間なら、左前に鋭い打球を打ち返す時は、おのずとフォローはもっと小さく、切れのある動きになるはずだ。これからは実戦で生きたピッチャーと対戦する。打球方向によって、フォローの形を気にすることも、蛭間の力量からすればそれほど難しくない。心がけてほしい。

チームとして1番打者を託したいペイトンには、小柄だが、かなりパワーを感じた。外国人選手は開幕してみないと、本当の力は見えてこない。ただし、まじめであること、日本のプロ野球を甘く見ず、助言を受け入れる姿勢が成否のカギを握る。古くはクロマティ、レジー・スミスも私たちのバッティングを参考にアドバイスを求める向上心があった。

ペイトンはヘッドがやや下がり、こすり上げるようなスイングが散見された。こすったフライが多かったが、力はあってもパワー頼みにならず、センターから逆方向へ強い打球を打つ意識が出てくれば、ヒットになる確率は上がるだろう。こうした助言を受け入れて修正できれば、日本の野球になじむ可能性は出てくる。出塁率が高く、足もあるから、トップバッターを期待されている。どんな1番打者になるか注目したい。(日刊スポーツ評論家)

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マシン打撃を行う西武蛭間(2023年2月2日撮影)
マシン打撃を行う西武蛭間(2023年2月2日撮影)
マシン打撃を行う西武の新外国人ペイトン外野手(2023年2月4日撮影)
マシン打撃を行う西武の新外国人ペイトン外野手(2023年2月4日撮影)