ヤクルトの3連覇を阻止するなら、この両チームが代表格になるだろうと思い、宜野座に向かった。

阪神もDeNAも優勝するためにどこを補うか、そこを埋めるのがキャンプのテーマになる。阪神ならば投手陣を盾に、得点力をどこまで高められるか。DeNAならば先発スタッフを1枚でも2枚でも厚くしたい。

まず、阪神ではルーキー森下に注目した。打席でホームから離れて立っていると話題になったが、実際に見るとそれほどでもない。内角への苦手意識ゆえのことと、私は仮説を立てたが、5回には外のボールをきっちり仕留めて中前に運んでいる。第1打席も外のボールを見極めて四球を選んでおり、現状の打席位置によるデメリットは感じられなかった。

近年の阪神は近本、佐藤輝らドラフト上位の野手が戦力になっている。サードに佐藤輝、空いた右翼に森下がきっちりはまれば、「あれ」もグッと現実味を帯びてくる。

一方、DeNAは先発スタッフに1ピースでも2ピースでもはまれば、強力打線を背景に優勝戦線に食い込む戦いが予想される。この日先発した上茶谷は、シュートでカウントを整えられるかどうかが、カギとみた。整えられない時は、外の出し入れ一辺倒になり、ピッチングの幅が窮屈になる。テーマははっきりしている。シュートの精度を上げること、そこに尽きる。

3番手で小園が登板した。体は大きくなったが、腕の振りに対して、ボールに伝わる出力がミスマッチしている印象を受けた。思ったよりも、ボールが来ていない。そして変化球も全体的に緩いように見えた。

フォームと体のポテンシャルから予想される出力を上げていくことだろう。まだ力が伝わり切れていない。そこを自分で感じながら、力の伝え方に取り組めば、もっと良くなりそうな感じを受けた。

最後に、阪神では才木、西純は完璧だった。仕上がりは万全。一方のミエセスは低めのボールの見極めで、どこまで対応できるか心配。日本では弱点を露呈すると、それこそ、ずっとそこばかりを攻められる。そうしたメジャーとの違いをどこまでかみ砕いて、しっかり対策できるか。阪神打線にとって課題になる。(日刊スポーツ評論家)

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練習試合・阪神対DeNA 力投するDeNA先発の上茶谷(撮影・上山淳一)
練習試合・阪神対DeNA 力投するDeNA先発の上茶谷(撮影・上山淳一)
阪神対DeNA 5回裏阪神無死、森下はバットを折ってファウルとなる(撮影・加藤哉)
阪神対DeNA 5回裏阪神無死、森下はバットを折ってファウルとなる(撮影・加藤哉)
阪神対DeNA 9回表阪神無死一塁、森下は死球を受け顔をゆがめる(撮影・上山淳一)
阪神対DeNA 9回表阪神無死一塁、森下は死球を受け顔をゆがめる(撮影・上山淳一)
練習試合・阪神対DeNA 9回の攻撃終了後、三浦監督(手前)は主審に選手交代を告げベンチへ戻る(撮影・上山淳一)
練習試合・阪神対DeNA 9回の攻撃終了後、三浦監督(手前)は主審に選手交代を告げベンチへ戻る(撮影・上山淳一)