DeNA対ロッテ 6回裏DeNA2死二塁、牧(左奥)に左適時三塁打を打たれる佐々木朗(撮影・菅敏)
DeNA対ロッテ 6回裏DeNA2死二塁、牧(左奥)に左適時三塁打を打たれる佐々木朗(撮影・菅敏)

<日本生命セ・パ交流戦:DeNA6-1ロッテ>◇18日◇横浜

DeNA打線は、お手本のような佐々木朗攻略だった。まず目につくのは、打点を挙げた主軸2人の技術の高さだ。

牧の4回の同点打は、2球で追い込まれながら3球目を左前に運んだ。ストレートを待ちながら、甘く来たフォークに対し、下半身も上半身も粘ってバットの先で拾った。6回の決勝打は初球のスライダー。おそらく、この時もストレートを狙いながら変化球に対応していた。

続く宮崎の2ランは、初球159キロを捉えた。若いカウントではストレートを狙って仕留めるという基本を、一振りで体現した。得点にはつながらなかったが、宮崎は2回無死二塁では8球粘って二ゴロの進塁打。追い込まれてからは、フォークも、ストレートも、ことごとく右方向へファウルにした。最後のフォークも、佐々木朗にすれば空振りを取れるはずの低さに決めたが、バットの面を返すことなく当てた。返していれば遊ゴロや三ゴロになっていた。結果は凡打でも、完全に宮崎の勝ちだった。

160キロ前後のストレートを打ちにいきながら、フォークやスライダーも打つのは極めて難しい。それができる技術がDeNAの4番、5番にはある。ただ、忘れてはいけないのが1番関根だ。4回は先頭で10球を投げさせ、四球を選んだ。我慢の粘り勝ちで出塁し、同点ホームを踏んだ。対照的に6回先頭では初球を中前に運び、勝ち越しホームを踏んだ。それまでの2打席は初球から打つそぶりを見せなかった。3打席目、スッと入ってきた初球ストレートを逃さなかった。

佐々木朗の攻略法は、まずはストレートを振りにいき、そこから甘く入るフォークに対処する。追い込まれたら1球でも多く投げさせる。それが鉄則と言える。ただ、1人、2人の打者だけで打ち崩すのは難しい。1人、2人より3人、3人より4人、4人より5人と、チームとして攻撃の形を出すことで、打ち崩せる可能性が上がる。

数字にも表れた。積極的な印象が強いDeNA打線だが、一回りした3回までに47球を投げさせた。前回登板まで佐々木朗が3回までに投げた今季の平均投球数42球より5球、多かった。打線としての意思が初回から見えた。チーム力がついたと言っていい。文字どおり、交流戦優勝に望みをつなぐ攻撃だった。(日刊スポーツ評論家)

DeNA対ロッテ 6回裏DeNA無死、関根に中前打を打たれる佐々木朗(撮影・菅敏)
DeNA対ロッテ 6回裏DeNA無死、関根に中前打を打たれる佐々木朗(撮影・菅敏)