阪神とオリックスは、シーズン、CSとも強力な投手力を看板に勝ち上がっただけに第1、2戦の8-0、8-0は予想外でした。

裏を返せば、それだけ攻撃陣に集中力があったということ。阪神は森下、オリックスは宗に当たりが出ていないぐらいで、他の主力に逆シリーズ男の気配はない。両軍とも打線は良い状態で第3戦に臨めると思います。

甲子園3連戦のポイントは、その打線の勢いをどちらが先に止めるかです。阪神は第2戦で完封負けしましたが、宮城が良すぎたので尾を引く負けではない。特に初戦の第3戦が大事で、両チームとも相手打線の勢いを止める必要がある。少々ビハインドでも、勝ちパターンの投手をどんどんつぎ込んでいくとみます。

阪神のキーマンは近本、中野の1、2番です。第1戦で3安打2打点ずつの活躍で大勝を導いたように、機動力もある2人が活発なら一気に勢いづく。逆にオリックスは、この1、2番を徹底して分断し、止めにいくはず。この勝負は3連戦の大きな見どころです。

一方で故障者の多いオリックスは選手起用も注目です。DHがない分、頓宮や杉本は代打で1回だけの起用で我慢するのか。攻撃力を重視し、少々無理してでも守らせるのか。捕手の森は甲子園で右翼に就くのか。ただでさえ、投手が打席に立ち、本拠地でできた野球ができない。やりくりが明暗を分ける可能性は十分あるでしょう。

1勝1敗の五分ですが、甲子園で戦えるメリットも含めて、この3連戦は阪神が優位とみます。第2戦は完敗でしたが、1日空くので切り替えもしやすい。波に乗ったはずのオリックスは、勢いが少し薄れます。

ただ阪神は、第7戦で宮城が投げる展開に持ち込まれると苦しいでしょう。クロスで入ってくるあの角度、腕の振りは右打者も打ちづらい。第5戦予定の田嶋も同様で手ごわい存在です。まずは第3戦をどう取るか。注目して見ましょう。

リラックスしながら風船ガムをふくらますオリックス宗(撮影・上山淳一)
リラックスしながら風船ガムをふくらますオリックス宗(撮影・上山淳一)