阪神と広島の戦いは、予想通りの投手戦になった。当たり前だが、こういう展開になると、ささいなミスが勝敗を分けてしまう。今試合でも阪神の手痛いミスが勝負を決めてしまった。
0-0で迎えた11回表だった。先頭打者の秋山が四球で出塁し、代走に大盛が送られた。2番の矢野が送りバントをしたときだった。ゴロを捕った投手の富田が一塁へ悪送球。一塁ベースに入った中野が捕れず、一塁走者は三塁を狙った。中野の送球がワンバンになり、サードの佐藤輝が後逸。レフトの植田が見事なバックアップをしていて、そのまま三塁ベースに入った佐藤輝にトス。大盛は慌てて帰塁したが、審判とぶつかって差し込まれるような形でキャッチした佐藤輝は、オーバーランした大盛をアウトにできなかった。
エラーとして記録されたのは一塁に悪送球した富田と、打者走者が二塁に進んだ中野の悪送球。そして記録に残らないミスもあった。一塁に悪送球した富田のスローイングは説明するまでもないが、三塁はセーフのタイミングだった。勝負するのはいいが中野の送球がワンバンになった時点で、佐藤輝は絶対に後逸してはいけなかった。
このプレーではレフトの植田のトスをうまくキャッチできず、素早くタッチをしなかった佐藤輝のプレーが悪く見えるが、審判にぶつかったための不運なプレーだった。結局、佐藤輝が中野の送球を体で止めていても三塁はセーフ。犠牲フライで決勝点は入っただろう。それでも富田と中野の悪送球と佐藤輝の後逸は、今後の反省点として繰り返さないように反省しなければいけないだろう。
もうひとつ、佐藤輝には指摘しておきたいプレーがあった。7回裏1死一塁では、佐藤輝は一塁走者だった。前川の打球はライトのライン際に切れていくフライだったが、キャッチすると決め付けてしまったのだろう。一塁に戻り過ぎていたため、右翼手の野間が捕球できずにはじいたが、そのまま拾って送球し、ライトゴロでアウトになった。
このライトゴロは、素早く二塁に走っても、アウトになった可能性が高いと思う。しかし、重要なのは結果ではなく、ライトが落とすかもしれないという準備がないこと。後逸と同じで、その時々でのプレーの判断が悪い。こうしたミスをなくしていくことが、チームの巻き返しの1歩につながっていくのだと思っている。(日刊スポーツ評論家)




