阪神が終盤に追いつきながら競り負け、同一カード3連勝を逃した。首位広島とのゲーム差は5に広がった。虎ひと筋16年間の現役生活を送った日刊スポーツ評論家の岩田稔氏(40)は下位ヤクルト相手の1敗を「痛すぎる敗戦」と表現。一方で約3カ月ぶりに1軍登板した青柳晃洋投手(30)の投球内容を評価し、1軍ローテ復帰について「計算できる」と太鼓判を押した。【聞き手=佐井陽介】

   ◇   ◇   ◇

阪神は痛すぎる敗戦を喫しました。優勝争いに食らいつくためにも、下位のヤクルトに3連勝して敵地広島3連戦に臨みたかったはずです。ただ、勝負の9月、ポストシーズンに向けて青柳投手の復調は朗報に違いありません。

約3カ月ぶりの1軍登板。初回こそ2四死球から2死満塁のピンチを作りましたが、2回以降は落ち着いて持ち味を発揮しました。味方の痛恨失策や不運な適時打にも苦しみながら6回を2失点(自責1)。何より18アウトのうち8個を内野ゴロで奪った内容に明るい兆しを感じ取りました。

今季はまだ1勝にとどまっている青柳投手。不振に苦しんでいた時期はバッテリーともども、やや考え過ぎているように映っていました。球種、コースも含めて完璧を求めていろんな策を使おうとし過ぎた結果、カウントを悪くして走者をためて痛打される。そんな悪循環に陥っているようにも感じていました。

青柳投手はもともと直球に強さがあって、ボールを動かせます。低めに投げ続けられれば、勝手にボールが動いて打ち損じを誘えるタイプです。今季序盤、個人的には「もっとシンプルに投げればいいのに」ともったいなさを感じていただけに、復帰登板の内容は喜ばしい限りです。

四死球は少しバタバタした初回の2個だけ。被安打7のうち4本はゴロ安打。「ゴロキング」とも称された武器を取り戻した形です。味方にミスが出た後も動揺せずストライクゾーンでの勝負を継続。今後は1軍ローテの一員として十分に計算できる存在に返り咲くのではないでしょうか。

一方、打線では大山選手のさらなる奮起に期待したいですね。この日は一塁守備で悔しいプレーがありながら、8回に同点アーチをかけました。もともと人一倍責任感が強い選手。逆転Vへ苦境に立たされた今こそ、先頭に立ってチームを引っ張ってくれるはずです。(日刊スポーツ評論家)