パドレス・ダルビッシュは、ドジャース打線を相手にすさまじい集中力で1球1球丁寧に、低め低めにボールを集める素晴らしい投球だった。初戦に敗れ、負ければ王手をかけられる重要な一戦で、昨日の夜から相当なプレッシャーがあっただろうが、それに打ち勝ち、ベテランの経験、技術、精神面の強さなどが表れた投球だった。

対大谷への投球も、ダルビッシュだからできる完璧な攻め方だった。ここ最近は、インハイに速いボールを投げる攻めが多くなる中、ダルビッシュは3打席ともに違った配球で、3打数無安打に封じた。勝負球も1打席目はスライダーで空振り三振、2打席目はスプリットで一ゴロ、3打席目はカーブで投ゴロと異なるボールだった。

ダルビッシュは曲げたり、落としたり、いろんなボールを高いレベルで操り、それを低めのゾーンの中でできる。高めの速い球はきちんと投げきることができれば有効だが、少し間違えばホームランになる危険な球。当然、長打を打たれにくいのは低めで、いろんな球種を使いながら、低めにボールを集めたダルビッシュの勝利だった。

この2試合、大谷に対して、パドレスのバッテリーは集中し、より厳しく攻めている。短期決戦では中心打者をいかに抑え、乗せないかが鉄則だが、特にドジャースは大谷が打つと雰囲気がガラッと変わる。1戦目は大谷にホームランが出て、チーム、球場全体が盛り上がったように、大谷封じに注力し、沈黙させたことが勝利につながった。

その一方で、大谷はいつもと変わっていないように見えた。しっかりスイングできているし、気負いなども感じなかった。繰り返しになるが、この日はダルビッシュが細心の注意を払って、よく考えながら、うまく攻めた。1回のプロファーの守備も素晴らしかったし、試合が中断した後の7回裏終了時にベンチで円陣した姿に、この試合に懸ける思いの強さを感じた。

この日の勝利で、シリーズの流れはパドレスにやや傾いた。ドジャースからすれば2連勝で一気にいきたかっただろうが、パドレスは1勝1敗でホームに戻ることができ、3戦目を取れば一気に王手をかけられる。パドレスは5番メリルが好調で、彼が打てば盛り上がる。互いのプライドがぶつかりあって、非常に面白い試合だったが、3戦目以降はさらに熱くなるだろう。(日刊スポーツ評論家)

ドジャース対パドレス 3回裏ドジャース1死、大谷を一ゴロに打ち取るダルビッシュ(撮影・菅敏)
ドジャース対パドレス 3回裏ドジャース1死、大谷を一ゴロに打ち取るダルビッシュ(撮影・菅敏)
ドジャース対パドレス 6回裏ドジャース無死、投ゴロに倒れる大谷。投手ダルビッシュ(撮影・菅敏)
ドジャース対パドレス 6回裏ドジャース無死、投ゴロに倒れる大谷。投手ダルビッシュ(撮影・菅敏)