野球ファンにとって月曜は特別な日。先週を振り返って、今週に思いをはせる。識者に回顧と展望を聞いた。セ・リーグ編は鳥谷敬氏(43=日刊スポーツ客員評論家)。
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先週は阪神の強さが際立ちました。26日巨人戦まで今季最長の6連勝。12球団屈指と評される投手陣の安定感はもちろん、6連勝中は5番大山選手が4度も決勝打を放ったように、上位打線が出塁してクリーンアップで返す理想型がハマっています。
ここまでリーグ最多の18盗塁と走力も完備し、2位広島、3位巨人に1・5ゲーム差。ただ、他球団の現状を鑑みれば、だんごレースからもっと抜け出しておきたいのが本音ではないでしょうか。
ライバル勢は開幕直後から想定外の故障者、不振者が相次いでいます。昨季リーグ王者の巨人は、丸選手が離脱中。坂本選手に加え、エース戸郷投手まで2軍再調整中です。新外国人のキャベッジ選手も負傷離脱の期間がありました。
いくら当たっているとはいえ、泉口選手の1番、甲斐選手の5番起用は苦肉の策とも言えるでしょう。広島にしても開幕4番のモンテロ選手、同5番の秋山選手が負傷離脱している状況です。
昨季の日本一チーム、DeNAもバウアー投手の再加入で開幕ダッシュを決めるかと思いきや、主砲オースティン選手の負傷離脱もあって借金生活が続いています。中日は、高橋宏投手と新外国人マラー投手のエース格2人がまさかの不調。4番で覚醒するはずの石川昂選手に至っては、2軍再調整を命じられました。
ヤクルトは頼みの村上選手を始め、塩見選手に高橋投手、長岡選手と主力に負傷者が続出。それでも首位阪神と最下位ヤクルトのゲーム差は4。3連戦で一気に詰められる距離に過ぎません。
阪神は主力勢に負傷、絶不調がほとんどなく新戦力も台頭。6球団で唯一ベストに近い布陣で戦えています。リリーフ陣には防御率0点台がズラリ。打線も3割打者が3人いて、4番佐藤輝選手はリーグ最多8本塁打、同2位の22打点を誇ります。
とはいえ、6球団で最も誤算が少ない状態なのに抜け出せていないのも事実。そう考えれば、若手を抜てきせざるを得ない苦境でも貯金生活の広島、巨人も、意外に上々の4月だったのかもしれません。
今季のセ・リーグで新指揮官は阪神藤川監督、中日井上監督の2人。他の4人には経験があり、巨人阿部監督やDeNA三浦監督には「勝負は今じゃない」と先を見据えている節もあります。ゴールデンウイークは救援陣の層の厚さも前面に押し出せる9連戦。阪神は他球団が苦境のうちに突き放しておきたいはずです。(日刊スポーツ評論家)




