日本ハム田中賢介スペシャルアドバイザー(SA=40)が、革新的なこども園の誕生を期待した。5月から「エスコンフィールド北海道」の南側エリアに「キッズラボ 北海道ボールパークFビレッジ 認定こども園」が着工予定。学校法人田中学園立命館慶祥小学校の理事長を務める田中氏が、教育者の視点から魅力を語った。【取材・構成=田中彩友美】

日本ハム新球場完成予想図の前で笑顔の田中SA(撮影・黒川智章)
日本ハム新球場完成予想図の前で笑顔の田中SA(撮影・黒川智章)

水辺や芝生が広がるエリアに、夢を育む空間が誕生する。「エスコンフィールド北海道」の開場に合わせて、23年4月1日に「キッズラボ 北海道ボールパークFビレッジ 認定こども園」が開園予定。田中氏は「保育園、僕がやりたかったですね」と笑みを浮かべながら、完成する日を心待ちにしている。自身は今年4月、理事長を務める学校法人田中学園立命館慶祥小学校の開校を迎えた。子どもたちの夢をサポートする立場から感じた魅力ポイントを3点挙げた。

(1)隣接する農業学習施設で農作物に触れた食育

田中氏 昨今では「小1ギャップ」というのが問題になっている。小学1年生になったときに、スムーズに学びが移行しない。農業は、全てのことが学習につながるという良い面があって。種を植える、耕すところから始まって、成長を自分で見守りながら、最後は自分で食べるところまで。全ての教育のカテゴリーが埋まっているので、農業はすごくいいなと思います。いろんな所でも実際にやりたい声がある中、場所の問題が非常に難しくなっている。北広島では出来るっていうのは、すごく魅力の1つかなと思います。

(2)北広島市初の試みとなる病児施設併設

田中氏 今は、すごく病児施設が推奨されていますが、実際は大変なんです。風邪をひいた子や、どこにも預けられない子を預かるところ。実際に僕が子育てをしている中でも、なかなか病児施設はない。そんなところが北広島に唯一出来ることは、いいことだと思います。大変さとか、いろんなことを考えたら、やらないほうが絶対いいんですよ(笑い)。健康な子どもと病気の子ども用に、出入り口を2つ作ったりしないといけない。それでも北広島の北海道ボールパークFビレッジ内につくるということは、社会貢献も含めた意味合いがあると思う。素晴らしいことだと思います。僕なら、やれないです(笑い)。

(3)球団と連携した保育

「キッズラボ ボールパークこども園」イメージ画像(C)キッズラボ
「キッズラボ ボールパークこども園」イメージ画像(C)キッズラボ

田中氏 ファイターズは、新球場だけが潤えばいいという観点ではやっていないと思います。こども園は成功すると思いますが、こども園だけではなく、こども園が中心となって町が広がっていくのが理想だと思います。子育て世代が、いかにFビレッジに訪れるかというのが非常に重要。子どもが喜ぶような町にしないと多分、町の発展はない。海外だと、学区の良さが土地の値段の基準になっている。基本的に働く人たちもファイターズが好きな人が働くと思う。チャレンジ精神のある思考を持っている先生たちが集まる気がしますね。自然と野球が身近なものになり、すごく活発な元気な園になるんじゃないかなと思います。

「キッズラボ ボールパークこども園」イメージ画像(C)キッズラボ
「キッズラボ ボールパークこども園」イメージ画像(C)キッズラボ

◆キッズラボ北海道ボールパークFビレッジ認定こども園(通称・キッズラボ ボールパークこども園) 学校法人英進学園のキッズラボグループが運営する。木造平屋建て、敷地面積は約2500平方メートル。0~5歳児までを受け入れる予定。

【日本ハム選手が語る新球場:第1回】

開業まで1年を切った「エスコンフィールド北海道」。日本ハムの選手に新球場への期待感や、球場にまつわる思い出を話してもらいます。1回目は吉田輝星投手(21)です。

■吉田輝星「狭い…僕みたいな投手は不利」でも開幕投手やりたい!

日本ハム吉田輝星投手(22年4月27日撮影)
日本ハム吉田輝星投手(22年4月27日撮影)

真面目な話をすると、新球場は狭い…。僕みたいな、ストレートを投げたらフライになるようなピッチャーは不利だなと思っています。ちょっと高いボールは気を付けないと。マウンドは意外と札幌ドームと大差ないと思う。キャンプで同じ仕様のマウンドで投げたんですけど、投げやすかったです。開幕投手、やりたいです!

新球場では常に人がいっぱい入っている中で、僕らはプレーで応えたい。プロ野球の球場の周りは、にぎわっているイメージがある。新球場の周りに繁華街とかあったら、多分寄ると思います。ご飯に行くついでに、ちょっと試合見に行こうぜっていうパターンもあるのかな。僕だったら試合を見て、焼き肉に行って…。すごい楽しいかなと思いますね。

生まれ育った秋田にはプロ野球チームがないだけに、野球観戦は結構レアでした。友達のオヤジが車で連れていってくれたりとか、家族で行ったり。好きなアイスがあって。ちっちゃいツブツブのアイスなんですけど。めっちゃ好きで。あとはファウルボールを取りに行くくらいです。よくいる小さい子の気持ち、分かります。僕も、めっちゃ必死でした(笑い)。