年の瀬が近づいてる。衣替えも大詰めに差し掛かり、半袖よりも長袖を着る機会が増えてきた。クローゼットの奥にあったダウンジャンパーさえも今か今かと出番を待つ。希望に満ちあふれた春から数カ月がたち、結果を突きつけられる季節になってきた。

 プロ野球界は一般社会よりもサイクルが少し短い。年の瀬ではなく、秋にすべての結果が決まる。07年以降は10年連続でAクラスをキープしてきた巨人が土俵際いっぱいの戦いを演じている。「勝ち続けるしかない。負けられない戦いが続いている」。チーム内の誰もが口にする。12球団で唯一、10年連続でCS進出を果たしてきた。その間、6度のリーグ優勝の功績が象徴するように強さを見せつけてきた。

 今季は球団史上ワースト記録を更新する13連敗があった。交流戦の最中だった。ただならぬ空気感がチームに漂っていたことを記憶している。後半戦は“敗者復活戦”のようなものでもあった。銅メダル獲得に手が届きそうなところまではきた。ただ、そう簡単に届くというわけでもない。届きそうで届かない。昨年、球団史上初のCS進出を果たしたDeNAが3位に座り、2位阪神をも射程圏に収めている。結果がすべての世界。残りわずか。13連敗からの“下克上”に注目したい。【巨人担当 為田聡史】