華やかな日本シリーズの舞台裏でソフトバンク3年目、島袋洋奨投手(25)が、来季の戦力構想から外れていることを告げられた。島袋は8月に左肘のクリーニング手術をしたため、リハビリ中。「肘の可動域も広がってきましたし、回復は順調です」と笑顔で話していたが、厳しい現実を突きつけられた。

 他球団から声がかからない場合、球団は来季育成として契約を考えている。興南高校時代は沖縄県勢史上初の春、夏連覇。だが、進学した中大で伸び悩んだ。14年ドラフト5位でソフトバンク入団。制球難を克服し1年目の15年から1軍で登板したが、2、3年目は1軍に上がれなかった。

 2つ上で沖縄尚学時代に春優勝投手となった東浜はプロ5年目の今季、16勝を挙げ最多勝に輝いた。東浜は島袋について「自分の時と同じ境遇。結局、やるのは本人。1軍での姿を見てみたい。沖縄は高校野球熱が高いので島袋を応援している人も多い。頑張ってほしい」と話した。東浜も分厚い選手層に跳ね返されながらも、鍛えて実力を高めエース格までかけあがった。島袋も「今はしっかりリハビリして投げられるように」とあきらめていない。厳しい道のりだが、巻き返すチャンスは残されている。【ソフトバンク担当 石橋隆雄】