今年も「つば九郎劇場」で1年の幕が閉じた。ヤクルトは27日、都内の球団事務所で公式マスコットのつば九郎と契約更改交渉を実施。現状維持の2万2000円でサインした。鳥だけに、大トリの登場だった。全選手の契約更改は19日に終了。球界屈指の人気マスコットとあって、満を持しての登場となった。

 前年16年は契約更改交渉に遅刻したため交渉できずに現状維持の2万2000円でサインとなったが、17年は報道陣に公開しての交渉。グッズ売り上げなどを持ち出して、貢献度をアピールしたが「交渉の余地なし」と現状維持の査定で終わり、他の選手とともに厳冬更改のあおりを受けた。

 それでも交渉を打ち切られた後の「ちがうだろー」「とっとりけんけいにそうささせよう」「りとうする」と豊田議員、大相撲の暴行問題、民進党の流れなど時事ネタを次々と繰り出して、盛り上げた姿はさすがの一言だった。

 この契約更改は16年も球団事務所の仕事納めの日に実施。日柄的にも取材に訪れたテレビ局や新聞各社は多かった。それでも19日に契約更改を行った山田と匹敵するほどの報道陣の数を見ると、あらためてつば九郎人気の高さがうかがえた。

 来季はつば九郎以外の選手も注目される年になるように。年間96敗と球団最悪の苦しい1年だったが、年末の風物詩で笑いとともに終わった。【ヤクルト担当=島根純】