ルーキーは、いろいろなものを背負ってプロに入ってくる。西武育成1位の高木渉外野手(18=真颯館)は“期待”だ。

 3人兄弟の末っ子。1月6日に入寮した際に、次兄の達也さんから贈られた腕時計を身につけていた。高2の時にくれたという。「特に理由はなかったんですけどね。自分が新しいのを買ったからじゃないでしょうか」と冗談っぽく話したが、お下がりを「大切にしています」と、うれしそうに披露した。達也さんも、長兄も、野球をしていた。特に、達也さんは大学まで野球を続けた。高木にとって身近なお手本だった。「ドラフトの後は『おめでとう』と。期待に応えないといけない。兄は大学まで野球をやったので、僕より経験が豊富。知識を身につけて、兄を超えることを意識したい」と力強く言った。

 もう1つ、地元の期待も背負っている。福岡・朝倉出身。昨夏の豪雨では、野球部の後輩が被災した。まだ元の生活に戻れていない人も多い。「朝倉市のみんなが応援してくれていると思います」と、活躍を届ける決意だ。

 セールスポイントは、広角に打てる打撃。好きな言葉は「コツコツが勝つコツ」。コツコツやって、まずは支配下選手登録を目指す。【西武担当 古川真弥】