さあ、球春到来です。2月1日は、プロ野球の正月だ。というわけで先日、和歌山・熊野本宮大社旧社地の大斎原(おおゆのはら)を訪れた。言わずと知れたパワースポットで、幸運のおすそわけだ。大鳥居をくぐると「叶」と揮毫(きごう)された看板があった。

 さらに宮司がこんなことを書く。「『口』へんに『十』と書き、何事にもプラス思考で毎日を過ごしていただき…」。こう続く。「叶うという字に一(マイナス)を加えれば、吐くという字になり、後ろ向きの意味になります」。漢字の成り立ちに感心するとともに、発する言葉の力を思う。

 年明け早々、球団で行われた年賀式で揚塩球団社長が「『優勝』の2文字を声に出し、自分に打ち勝ってほしい」と話していた。キャンプ前日のこの日夕方、沖縄・読谷村の宿舎で全体ミーティングに参加。ナインに、この思いを伝えた。

 金本監督も選手に語りかけた。「勝つために、優勝するためにやっていくぞ。いい時も決しておごらず、悪い時もくじけたりあきらめたりしないで1年間、戦っていこう」。気分一新のキャンプイン。どれだけ強い意思を貫けるか。愚痴を漏らさず戦えるか。思いの強さが試される、金本阪神3年目が始まる。【阪神担当=酒井俊作】