中日の今キャンプを取材して、さまざまな松坂の顔があった。質問に、ジッと考える間がありながらも言葉を紡ぎ、最後には真っすぐ顔を上げる。自信ありげな表情に、メモするペンが走る。小笠原ら若手投手陣は松坂からアドバイスを受けると試行錯誤し、成長につなげようと必死。松坂の言葉には力があるように感じる。

 ときにはジョークも交え、おどけてみせる。この日も取材が進み「最後に~」と質問した記者が再び問いかけると「さっき、最後って言ったのに!」と声を上げ、ドッと笑いが起こった。おちゃめな一面も人を引きつける。

 1月23日のナゴヤ球場。入団テストを受け、合格を手にした松坂は「周りにどう見られようが、どう思われようが、自分でまだやり切った悔いのない野球人生だったとは思えない。そう思えるようになるまでは、自分を信じて進んでいきたい」と真っすぐ口にした。その言葉どおりに日本球界復帰後初白星へと進んでほしい。【中日担当 宮崎えり子】