近年、公園では「ボール遊び禁止」という看板が目立つ。活動の場が制限されていることが、野球の競技人口を減少させている一つの要因ともいえる。野球に触れ合う環境が少ない。そんな状況を打開するべく、阪神球団が新たな取り組みを発足させた。

 元阪神選手が子どもたちに野球を指導する「タイガースアカデミー ベースボールスクール」が4月2日、開校初日を迎えた。野球初心者を含む約120人の子どもたちが参加した。特別顧問の和田豊球団本部付テクニカルアドバイザー(TA、55)が先頭に立ち、OBの上園啓史氏(33)、柴田講平氏(31)、鶴直人氏(30)らも熱心に指導を行った。

 和田TAによると、少年野球の指導者たちは現在、グラウンドの確保の難しさで頭を抱えてるという。和田TAは「バットが振れなくなって、キャッチボールも危ない、(現代が)そういうとらえ方になってきている。野球をやる場所を少しでも多く提供できたら」。かつて監督として虎を率いた男が、立場を変え、日本野球の未来を見据えながら汗をかく。【阪神担当 古財稜明】