いよいよ交流戦が始まる。勝率5割でリーグ3位。いずれもアレックス・ラミレス監督が就任してから初めて。過去2年は、借金を背負いながら、Bクラスからパ・リーグに挑んでいた。それがここ最近の戦いだった。今季、決して満足のいく序盤戦ではなかったが、データ重視の同監督にとっても、想定外の活躍をする男が2人いる。

 まずはネフタリ・ソト内野手だ。連敗が続いた5月6日巨人戦から昇格。つなぎ役を求め続けた2番に「スモールベースボールというよりは、攻撃的打線」と起用すると、初アーチを含む長打2本。球団ではパチョレック以来30年ぶりに、デビューから4試合連続マルチ安打を記録した。デビューから16試合すべて先発起用され、打率4割をキープしたまま交流戦を迎える。指揮官も「誰がこんなに打つと予想しただろうか。きっと誰もいない。1番のサプライズだった」と驚きを隠せなかった。

 もう1人は梶谷隆幸外野手。開幕はけがのためファームで迎えた。右翼の定位置を確保できないまま、5月18日からの巨人3連戦で1番中堅に抜てきされた。ラミレス監督は「今年の構想に、梶谷の1番センターは考えていなかった。何かやってくれると思うから使う」。すると、こちらも巨人菅野からホームランを放った。ここまで1番での打率はこちらも4割。梶谷自身は「1番は性に合ってない」と苦笑いするが、リードオフマンの役割を果たしている。

 どのチームにとっても、その後のシーズンの行方を占う交流戦。例年、セ・リーグに分が悪いとされるだけに、同監督も「勝率5割で終えられればいい。5割を目指していく」と現実的に見ている。そのパ・リーグに打ち勝つためには、恐怖の1、2番コンビが、カギを握っている。【DeNA担当 栗田成芳】

阪神対DeNA 3回表DeNA2死、ソトは左越えソロ本塁打を放つ(撮影・加藤哉)
阪神対DeNA 3回表DeNA2死、ソトは左越えソロ本塁打を放つ(撮影・加藤哉)