3連勝の「虎退治」で、本拠地ヤフオクドームに戻ってきた工藤ホークスにこの日、「朗報」が飛び込んできた。王球団会長が5月30日に一般女性のNさん(仮名=60)と結婚した、と球団が発表した。ドーム内で担当記者に対応した王会長は自らの話題だけに、何とも照れくさそうに話していたが、これもしっかりと筋を通す王会長らしい姿だった。

 10年の同居生活に区切りをつけ、再婚の決心。新たなパートナーとなった女性へのケジメである。数年前、週刊誌が女性と同居している王さんを取材し、記事になったことがあった。その時も堂々と取材を受け、はっきりと自分の口で女性の存在を説明していた。01年に前妻の恭子夫人(享年57)を亡くし、その後に出会ったNさんは、福岡生活が10年を超える中で、王会長の「心」を支えてきた。06年の胃がんによる全摘手術後もしっかり王さんを励まし、支え続けた。

 今年の3・30開幕戦。チームの勝利を見届けると、ドーム関係者口に止めたハイヤーにはNさんの姿があった。孫オーナーと退出が重なったため、王会長は孫さんにあいさつを交わし、律義にオーナー車を見送った。その時、Nさんを車から連れ出し「オーナーが帰られるから」と2人で見送りした。瞳の大きなチャーミングな女性。福岡市出身で生粋の博多っ子。単身赴任が長く続いた王さんにとっては最良のパートナーとなった。同居前には王さんの携帯電話にNさんのプリクラが貼られていたこともあった。

 工藤ホークスは好物の交流戦で4連勝。ジューンブライドには2日早い、王会長の結婚。これもまたチームに勢いをつけた。【ソフトバンク担当 佐竹英治】