広島野間が、課題だった打撃で進歩を見せている。

 6日の日本ハム戦では野球人生で初めてというサヨナラ打まで放った。チームで屈指の愛されキャラ。同僚からのいわゆる「いじり」が多いのだが、その筆頭格が新井だ。例えばティー打撃のボール拾いをして、ぺこぺことお辞儀。見ているこっちもニヤニヤしてしまう。野間の成長をどう思っているのか。

 「そりゃうれしいですよ。野間に限らず、頑張ってる若手がああやって結果を出すのはね。野間に関して言えば、打席での“何とかしよう”という気持ちが伝わってくる。厳しい球を不格好でも食らいついてファウルにしたりね。簡単に三振しないでしょ?」

 確かに最近の野間は、粘り強い印象が強い。2ストライク後の打率は軒並み高い。0-2(打率1割4分3厘)をのぞけば、1-2が4割5分、2-2が3割5分3厘、3-2が3割と、すべて3割以上。いわば崖っぷちに強い男なのだ。野間は「必死なんで」と言うが、これが通算打率3割台半ばのハイアベレージにつながっている。

 新井は続ける。「フォームのメカニック的にも良くなってるということでしょうね。ああいう必死な姿を見て、他の若い選手も『負けないように』となる。それがいい相乗効果になるんじゃないですかね」。野間をいじって笑いが生まれるほほえましい光景が、これからも多く見られそうだ。【広島担当 大池和幸】

(成績の数字は6日現在)