<ソフトバンク2-5ロッテ>◇6月30日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンクの借金は「2」となった。70試合目。長髪をなびかせて投げ込むロッテ先発ボルシンガーにまたもやられた。借金2? 今季のホークス先発投手の勝敗数である。25勝27敗。6月16日の交流戦対広島(ヤフオクドーム)でバンデンハークが勝ってから、先発投手に白星がない。サファテ、岩崎が離脱し「勝利の方程式」の再編を余儀なくされている今季、視線はブルペン陣にいきがちだが、先発陣の苦しいマウンドも続いている。ちなみに昨年の70試合時点では34勝21敗。先発投手だけで13個の貯金をつくった。

 前夜(6月29日)のサヨナラ劇のお祭り気分も吹き飛ぶこの日の完敗。まだ下位に位置しているが、井口ロッテは同じ70試合で先発陣の勝敗数が29勝23敗。ペナントレースの折り返しを迎えると、ホークスが追う立場になる可能性もある。

 先発陣に劇的な変化を期待しつつ、ブルペン仕様も変えなければならないのではないだろうか。この日、救援した寺原、岡本は走者を出しながらも5イニングを無失点で耐えた。先発不振で配置転換となっている武田もカード初戦で中継ぎ登板し、3回1失点投球。ブルペンの負担増は百も承知だが、先発陣の奮起を促す一方で、ロング救援できる中継ぎ陣の整備、試合中盤の打線の得点力増も図らなければならない。昨年ほどの「先行逃げ切り」は厳しい。それはこれまでの70試合が証明している。

 7月に入った。シーズンはいよいよ過熱する。必勝の「フォーム」を整える時間は、もうそんなに残されてはいない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】