<楽天8-7ソフトバンク>◇8日◇楽天生命パーク

ハラハラドキドキの「閉店野球」はホークスの専売特許だったはずではなかった? 敵地・仙台でまさかのサヨナラ負け。最後は守護神森が1死から5連打を浴びて散った。

移動のバスに足取り重くやってきた森ヘッドコーチは苦々しい顔で言った。「8回の2失点が一番痛かった。投手コーチとも相談するけど、8回に固定するか気分を変えてやるか…」。ブラッシュに2ランを被弾した新人甲斐野の失点を悔やんだ。3日の楽天戦(ヤフオクドーム)では8回に山下、茂木に2本のソロを浴びて同点とされた。2戦連続の被弾。前回は延長12回の末、ホークスがサヨナラ勝ちしたものの、今度はきっちりお返しされた格好だ。

5回以降、打線が沈黙したホークスとは対照的に楽天は中盤以降に活性化してきた。投手打者の兼ね合いもあるだろうが、終盤になって大幅にメンバーを入れ替えたホークスはやはり「故障禍」が影響している。終盤には今宮、グラシアル、内川とケガを抱えている選手をベンチに下げた。残る長丁場を見据えたコンディション維持が目的だ。先発高橋礼が勝利投手の権利を持って5回で降板。この時点でスコアは7-3。主力を外しても自慢のブルペン陣で4点差を守りきる構想だったのだろうが、結果は裏目に出た。「(故障持ちの選手は)今後のことを考えると、ずっと出し続けられない。何とかやりくりしながらやっていかないと」。森ヘッドコーチはさらに渋い顔になって説明した。確かにこれ以上の離脱者を出すわけにはいかないが、目の前の試合の「流れ」を取り逃すのも痛い。

勝ち試合は必ずものにしなければならない。もしも、勝機にカブトの緒を緩めたのなら、ベンチが招いた痛恨敗戦と言われても仕方ない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】