7月31日をもってプロ野球の新外国人、トレードなどの戦力補強期間が終了した。阪神の片山雄哉捕手(25)は期限の2日前、30日に支配下登録をつかみ取った。

「最後の最後にチャンスをいただいた」。独立リーグのBCリーグ福井から18年秋の育成ドラフト1位で入団。左打者の捕手として力強いフルスイングが持ち味で、2軍では1年目から4番に座るなど、その期待は大きい。

1軍に昇格する権利を獲得し、あるコーチとの再会も近い。16年にBCリーグ福井のコーチを務めた藤井バッテリーコーチだ。BC時代、片山は同じく捕手の藤井コーチから技術もさることながら「人として当たり前のこと。あいさつやルールを守れること」など、球団という集団組織の中でのプロとしての人間論を学んだという。「野球選手である前に、基本的なこと。人として当たり前のことを当たり前にできるということが大事なんだよと」。人として真摯(しんし)に野球に向き合う姿勢を学び、育成契約ではあるが念願のプロ野球の扉を開いた。

阪神入団後も藤井コーチからは「頑張っているな」などと度々、連絡を受けた。その期待に応えられるように片山は「早く自分ができるということを(藤井コーチに)見せたい。そこに関しては強い思いはある」と語っていた。

支配下登録で背番号は「122」から「95」へ。1軍公式戦にも出場が可能となった。再び、藤井コーチと同じグラウンドに立てる日を目指して-。背番号2桁となった片山が、必死にアピールを続ける。【阪神担当=奥田隼人】