<西武10-5ソフトバンク>◇8月31日◇メットライフドーム

8月が終わった。ソフトバンクは月間勝敗を12勝11敗の貯金1で終えた。「もっと勝てた」のか「負け越さなくてよかった」のか。この間、遠征試合が15試合。2度の長期ロードがあったことを考えれば、貯金1は及第点ではなかったろうか。

首位攻防戦第2ラウンドは大敗した。だが、まだかろうじて首位にいる。1日の第3ラウンドで白星を拾えば、また1差に戻る。敗戦に一喜一憂するより、必要以上に「追われる恐怖」を感じないことだろう。

敵地・所沢での大敗を見届けたソフトバンク王球団会長は、息を切らせながら敵地名物の長い階段を上り終えて言った。

「これで(ゲーム差のない)スタート地点に戻ったね。明日からが勝負だ。(ホークスは)あと何試合? 22試合? ここからが勝負だよ」。

現役時代、そして監督として幾度となく修羅場を経験している王球団会長だけに、気持ちの切り替えは早い。迎えの車に乗り込むと窓を開け、手を振って球場を後にした。

ベテラン左腕の和田が初回にいきなり2本の2ランを被弾するなど大量5失点。2回にも1発を浴び、まさかのKO。破壊力満点の「山賊打線」を活性化させてしまっては、試合をひっくり返すのはそうたやすいことではない。守っては柳田が2度のタイムリーエラーを犯すなどディフェンスに安定を欠いたが、何より切り替えが大切だ。いよいよ9月に入る。王会長が言う「勝負」の月である。ベンチを含め、いかに切り替えられるか-。簡単なようで実はこれが一番難しく、一番重要な要素である。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

8回裏、山川に40号ソロ本塁打を浴びる高橋純平(撮影・たえ見朱実)
8回裏、山川に40号ソロ本塁打を浴びる高橋純平(撮影・たえ見朱実)