<ソフトバンク0-4ロッテ>◇7日◇ヤフオクドーム

ノーヒットノーランの快挙達成の翌日は完封負け。ソフトバンクにとって何とも落差の大きい2試合となった。0-0の4回2死一、三塁から重盗で三走グラシアルが本塁憤死。ベンチのサインではなかったようだが、もっとじっくり攻撃機会をうかがってもよかった。5回以降はロッテ西野の前に打線が完全沈黙。9回までパーフェクト投球で締められた。

敗戦の中での収穫はドラフト2位杉山のプロ初マウンドだった。8回1イニングを投げマーティンは四球で歩かせたものの、角中、田村を自慢のスライダーで空振り三振に仕留めた。甲斐の盗塁阻止もあってきっちり3人で初登板を締めた。「楽しかったです。緊張より楽しさが勝ってましたね」。杉山は目を細めてニヤリとした。この日の最速は155キロ。登板前には甲斐野と自己最速タイとなる157キロを約束していたようで「ちょっとがっかりしています」と苦笑いを浮かべたが、自信も芽生えた。「もう少しスピードが出そうな気がした。(スライダーも)低めに投げれば振ってくれると思った」と手応えも感じ取った。

即戦力として開幕1軍入りも期待されたが春季キャンプ中に右足首を捻挫。リハビリを続け、投球再開するとフォームがバラバラになった。直球も140キロ台も出ずに、もがいた日々もあった。1学年先輩の甲斐野をライバル視してきたが、大きく出遅れた。「(初マウンドまで)長かったですね。いろいろあったんで」。緊迫するV戦線…。また1人、期待の右腕が加わった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】