<ソフトバンク4-1日本ハム>◇24日◇ペイペイドーム
ソフトバンク東浜巨投手(30)が、チームを今季初の単独首位に導いた。7回を4安打1失点。初回に3連打で1点を失ったが、2回以降は日本ハム打線をわずか1安打に抑え、2勝目を挙げた。前回登板で右足に打球が当たるアクシデントにもくじけず、不屈の精神で乗り切った。
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東浜の恩師、沖縄尚学の比嘉公也監督(39)は、教え子の成長に目を細める。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、プロ野球の開幕は延期に。それでも東浜の気持ちは折れなかった。
比嘉監督 本人の中で、コロナで休止していた期間に何かあったかもしれない。何かは分かりませんが、積極的に、いろいろと自分から動くようになった気がします。開幕投手に指名されたことがきっかけになったかもしれませんね。
夏の甲子園大会が中止となり、2年連続出場を狙っていた3年生らを気遣う提案が東浜からあったという。「何かしてあげたいと連絡があって、Tシャツなどを作ろうという話になりました」。母と姉が看護師。母校へのマスク寄贈を始め、医療従事者への感謝も東浜は公表していた。
投手としての「負けん気の強さ」は比嘉監督も認めている。優勝した08年選抜大会準々決勝・天理(奈良)戦で、左膝に打球を当てながら続投した。
比嘉監督 ベンチまで当たった音が聞こえたほどだった。ダメだと思ったが、東浜はすごい。練習試合で完投しても自分が納得してなかったら、学校に戻ってキャッチボールや遠投をしていましたしね。
残念ながらこの日、県の独自大会3回戦で沖縄尚学は宿敵・沖縄水産に敗れた。東浜は「人にはない経験をプラスにして前を向いてほしい」と後輩を激励した。【ソフトバンク担当 浦田由紀夫】