<ソフトバンク8-5日本ハム>◇30日◇ペイペイドーム

日本列島が燃えたぎった炎暑の8月は、ソフトバンクにとって「貯金月間」となった。8月の戦績は16勝8敗1分け。一挙に8つの貯金を積み上げた。開幕から2カ月が過ぎ、最もチームに疲れが出やすい時期。長雨にたたられた梅雨のうっぷんを晴らすように、チームは一気に勢いを増した。ペナントレースも前半から後半戦へ。折り返し地点を挟んでの8連勝。2位ロッテとも3ゲーム差となり「独走」の気配さえ漂ってきた。

カード6連戦の変則日程から週3連戦2カードになった。8月第1週の対楽天2勝4敗、3週目の対ロッテ2勝3敗1分けの2つの負け越しはあったものの、助っ人グラシアルの合流、ムーアの復帰、武田の復活などプラス要素がチームを後押しする。月が変わって9月に入っても日程までもがホークスびいき? である。敵地とはいえ、すでにシーズン勝ち越しを決めているお得意様のオリックスとの3連戦(京セラドーム大阪)からのスタート。連勝街道に笑みがはじける工藤監督が就任初となる2ケタ「11連勝」の皮算用しても不思議ではない。

もちろん、油断は禁物。有終のゴールに向けて気を引き締めなければならないのは「基本の徹底」だ。この日、2回に2つの送球ミス(失策は1つ)があった。先発石川のバント処理の二塁へのワンバウンド送球。そして併殺にできなかった川瀬の一塁送球。残した走者を生還させてしまった。緊迫したゲームではこういうプレーが勝敗を左右することになる。プロには言わずもがなだが、カブトの緒はやはり、きっちり締めたほうがいい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】