与田監督からV奪回のキーマンの1人に指名されている中日小笠原慎之介投手(23)が、28日広島戦(マツダスタジアム)で今季初戦で好調な滑り出しを見せた。4イニングで得点圏に走者を背負ったが、崩れることなく6回5安打無失点。試合は引き分け初白星は逃したが、この日は最速150キロもマーク、試合後の表情も穏やかだった。

「野手の皆さんに助けてもらって無失点で抑えられた。流れがどっちに行くのかもわからない試合で、先に点を取られなければ負けることもないですし、いい形で後ろにつなげたかなと思います」。

6回は後輩根尾の失策から無死二塁のピンチを背負ったが、後続3人を打ち取って切り抜けた。「プロに入ってからずっと6回は鬼門みたいなものだった。とにかく抑えられてよかった」。昨年まで59試合に先発し、7回以降まで投げたのは15試合(完投2)。先発完投型を目指すうえで乗り越えるべきひとつの壁だ。

今年は大野雄の自主トレに帯同。「ここでいっしょにやらないと僕の野球人生が終わる」と、自分を見つめ直した。ストレートを磨くことに重きを置いてきた。最速150キロをマークし「変な力みがなかった」と球速にも手応えを感じている。

「まず第1歩を踏み出せたかな。大野さんとの自主トレに行って、よかったか悪かったかというのはシーズンが終わってから」。脱皮しつつある23歳の1年に注目したい。【中日担当 伊東大介】