<ソフトバンク8-8ロッテ>◇12日◇ペイペイドーム

「ハラハラドキドキ」の閉店野球は弱かったころのダイエー時代の代名詞ではなかったか。3時間52分のロッテとのロングゲームは悔しさが残るドローとなった。今季6試合目の引き分け試合。「9回打ち切り」の影響大だが、工藤ホークスとなってシーズン最多ドロー(16年の6試合)に並んだ。

「先行逃げ切り」の必勝パターンだった。3回までに柳田の7号2ランなど3点をリード。暗転は5回だった。4回までパーフェクト投球のベテラン和田が変調。なんと大量6点を奪われてゲームは一転した。大味というか、大波というか。それでも打線が奮起。7回にはハーマンを攻略。甲斐の4号2ランなど今度はホークスが大量5点を入れ返し再逆転した。「まさか」の5回6失点だったが、打線はあきらめなかった。起点となったのは1死から周東が四球を選んですかさず二盗を決めた「足攻」だった。3回にも二盗を決め火付け役となった。勝てない悔しさは募ろうが、攻撃陣に「攻め」の姿勢が出てきたのは光明ではある。

この日、ホークスの親会社である「ソフトバンクグループ」の決算発表が行われた。昨年9000億円を超える赤字を出したが、今期は4兆9000億円を超える利益を出した。「V字回復」どころか「垂直回復」である。

ホークスも親会社の好景気? にあやかりたいものだ。パ・リーグは混戦模様。3位とはいえ、一気に首位奪回も難しい話ではない。チームは札幌、所沢と2カード遠征が続く。厳しいロードだが、何とか上昇機運に乗りたいものだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ソフトバンク対ロッテ 9回表ロッテ無死、レアード(右)をゴロに打ち取るも牧原大が一塁へ悪送球し肩を落とすモイネロ(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク対ロッテ 9回表ロッテ無死、レアード(右)をゴロに打ち取るも牧原大が一塁へ悪送球し肩を落とすモイネロ(撮影・岩下翔太)