勝てなくても、負けなきゃいいんです。楽天石井一久GM兼監督(47)が“引き分け”の大切さを説いた。

「極端に言えば、1勝142分けでも優勝できる。そういう意味では、引き分けはすごく大事な戦いになる。引き分けまではOKなので、それで言うと負けないこと。今年は“痛い引き分け”とネガティブになる必要はないと思います」。

コロナ禍での今季は延長戦はなく、9回打ち切り制が導入されている。必然的に各チーム引き分け数は増え、ソフトバンクと西武は両リーグトップの15引き分けを数える(23日時点)。楽天は24日時点で12引き分け。内訳はビハインドを追いついてが5、リードを追いつかれてが6、スコアレスが1。内容は違えど、指揮官の言葉を借りれば“痛い引き分け”は1つもない。

また、引き分けから得られる経験は大きなメリットにもなる。1点を争うがっぷり四つの戦いでは、ワンプレーの価値がいっそう増す。小さなミスも許されない、緊迫した試合を重ねることで、チーム力向上にもつながる。

「僕自身もですけど、絶対に負けないぞ、という気持ちを出していくいいチャンスだと思うし、いいチャレンジだと思う。それは僕自身も楽しみだし、みんなにも楽しんでもらいたい。それが将来的に還元されると思う。特に若い子は何げなくやるんじゃなくて、何かを感じ取りながら戦ってほしいです」。

今季1点差ゲームは12勝8敗で、13勝9敗の首位オリックスと同じく貯金4。だんご状態のパ・リーグを最後の最後に抜け出すために。未来の常勝軍団を作るために。わずかな勝機を探り合う、ピリピリとした終盤戦へ臨む。【桑原幹久】