<ロッテ0-5ソフトバンク>◇23日◇ZOZOマリン

単純明快なことだが、先発投手がゲーム中盤までしっかり抑えて、打線が先制、中押しをすれば8割方は白星を手にすることができるだろう。この「必勝の型」でソフトバンクは首位ロッテに敵地・千葉で2連勝を飾った。

初戦はエース千賀が7回まで0を並べ、8回途中1失点の粘投。2戦目は助っ人マルティネスが7回無失点投球。上昇気配の見え出した打線もチーム今季初となる3戦連続の2ケタ安打で呼応した。借金も「1」まで戻し、4位からの逆襲に弾みがつき始めた。暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったもので、彼岸の中日である「秋分の日」をホークスにとって好不調の大きな分岐点にしてもらいたいものだ。

試合後のヒーローインタビュ-でマイクを握った先発マルティネスは言った。「これからの試合も1つも落とせない気持ちでやっていきたい」。この3連勝で快打を飛ばした打撃陣も必ずコメントに加えていたのは「負けられない戦いが続く」という逆襲の気持ちだった。3年ぶりにV奪回を果たした昨年のこの時期、ロッテに1位に並ばれた。96試合目を終えた時点でゲーム差なし。昨年は120試合制だった。残り24試合から猛烈なスパート。工藤政権初の12連勝をマークし、21勝3敗という驚異的な戦いぶりで美酒に酔った。昨年とは状況が違うかも知れないが、可能性が1%でも残されていれば、あきらめるわけにはいかない。「1番以外は敗者」という孫正義オーナーの勝負哲学は、チームにしっかり植え付けられている。

初回、先頭三森が内野安打で出塁。2番今宮は打って出た。何で送らないんだろう? と思ったが柳田の1発で杞憂(きゆう)に終わった。何よりうれしかったのは8、9回を6人で締めた板東の投球だ。8日ぶりのマウンドで今季初の2回0封。前を向ける起点の日となった。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ロッテ対ソフトバンク 2回表ソフトバンク無死、ソロ本塁打を放ちダイヤモンドを回る柳田(撮影・山崎安昭)
ロッテ対ソフトバンク 2回表ソフトバンク無死、ソロ本塁打を放ちダイヤモンドを回る柳田(撮影・山崎安昭)